空気感染って何?どんなことに気をつけたらいいの?
今回は、菌やウィルスの感染経路や、それぞれの感染経路についての対策などを調べていきたいと思います。
細菌やウィルスなどの病原体が人から人に感染する経路(ルート)を感染経路と言いますが、この感染経路は大きく分けて3つあります。
(1)接触感染
(2)飛沫感染
(3)空気感染
それぞれの感染経路について簡単にご説明します。
(1)接触感染とは
接触感染とは、皮膚や粘膜などの直接的な接触や、ドアノブ、手すり、スイッチなどに表面に付着した菌に接触することによる感染のことです。
ノロウィルスやサルモネラ菌などが知られています。
(2)飛沫感染とは
咳やくしゃみをすると、口から細かい水滴が飛び散ります。この細かい水滴のことを飛沫といいます。
飛沫に細菌やウィルスなどが含まれていた場合、他の人がこれを吸い込むことで感染するのが、飛沫感染です。
例えばインフルエンザは、飛沫により感染します。
(3)空気感染とは
空気感染は飛沫核感染とも言われます。
飛沫核とは、飛沫の水分が蒸発した小さな粒子のことです。
これを吸い込むことで感染するのが、飛沫核感染。いわゆる空気感染です。
結核や麻しん(はしか)、水痘(水ぼうそう)は空気感染により感染します。
空気感染と飛沫感染は、とても似ている経路のように思えますが、一般に空気感染するウィルスは感染力が強いと言われています。
それはなぜなのでしょうか。
飛沫は水分を含んでいるので、それなりの重さがあり、体内から放出された後、すぐに地面に落ちますが、飛沫核は水分を含んでいないため、軽く、長時間経過しても空気中に浮遊しています。また遠くまで飛んでいくことができます。そのために感染力が強いのです。
飛沫感染を防ぐ方法としてマスクの着用が言われています。また、ソーシャルディスタンスとして、人との間隔を2m以上あけましょうと言われていますが、空気感染を防ぐには不十分だということになるのです。
空気感染の予防には、飛沫核の拡散を防止することが重要です。そのため、室内環境の減圧や高機能フィルターを使用して空気を洗浄化するなど、より高度な対応が必要となるのです。
ここまでお読みいただいた方の中には、飛沫核とエアロゾロって違うの?と疑問に思われた方もおられるでしょう。
エアロゾロという言葉も新型コロナウィルスの流行と共に耳にする機会が増えた単語です。
エアロゾロとは、空気中を漂う液体あるいは固形の微粒子のことです。エアロゾロの定義は定まっていません。
ただ感染対策の分野では、水分を多く含み、粒子径が比較的大きな微粒子を飛沫、水分が少なく粒子径が小さな微粒子をエアロゾロと区別することが一般的なようです。
しかし、これを区別する粒子径についても統一された見解はありません。
一般的に5㎛より大きな粒子を飛沫、5㎛より小さな粒子をエアロゾロまたは飛沫核と呼ぶことが多いようです。エアロゾロと飛沫核を同義に扱っている文献もありますし、区別している文献もあります。
感染に関する一般的な知識として言葉の大きな意味を分かっていれば十分なのではないかと思います。
ミネソタ大学感染症研究対策センターのリサ・ブロソー氏によると、「換気の改善、屋内にいる人数の制限、相互にとる距離のさらなる拡大、人と人が接触する時間の短縮に商店をあてる必要がある」と述べています。
さらに、「新型コロナウィルスの拡散を防ぐには約2mの距離を置くべきだというが、咳やくしゃみは2mをはるかに越せて拡散する、小さな粒子も同じで、空気の流れに乗っている場合はなおさらだ。」と続けています。
冒頭でご紹介した書簡を出した研究者たちは建物の複数のドアや窓を開けるだけで、空気の流れが劇的によくなると指摘しています。
マスクの着用だけでは不十分かもしれません。
3密を避けるだけでも不十分なのかもしれません。
まだまだわからないことが多い新型コロナウィルスですが、様々な発表に一喜一憂するのではなく、私たち自身が少しずつ知識を蓄え、新型コロナウィルスにうつらない。うつさない。拡散させないためにできることを精一杯やる。
そういう自覚がとても大切なのだと思います。
そんな知識の蓄えに、この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。