新型コロナウィルスワクチンの開発が待たれる今、世界の医療業界リーダーの3分の2近くがパンデミックは2021年後半以降も続くと予想しているとのラザードの調査結果が公表されました。
日本でも日ごとに感染者が増えているこの頃。
新型コロナウィルスの流行とともに私たちが日常的に耳にするようになった「パンデミック」ということについて考えてみたいと思います。
1.パンデミックとは
2.WHOによるパンデミックの区別
3.パンデミックの脅威
4.ウィルスの流行を食い止める方法は?
5.まとめ
ウィキペディアによりますと、「パンデミック(pandemic)は、ある感染症(伝染病)の世界的大流行を表す語。」とあります。また、「疾患、特に感染症の流行は、その規模に応じて(1)エンデミック (2)エピデミック (3)パンデミックに分類される。このうち最も規模が大きいものがパンデミックである。」としています。
(1)エンデミック(地域流行)
特定の人々や特定の地域において、ある程度の割合(ポツポツと)見られる状態。地域的に狭い範囲に限定され、患者数も比較的少なく、拡大のスピードも比較的遅い状態。流行以前の段階。風土病もエンデミックの一種にあたる。
(2)エピデミック(流行)
特定のコミュニティ内で、特定の一時期、感染症が広がること。特に突発的に規模が拡大し集団で発生することをアウトブレイクと呼ぶ。
(3)パンデミック(汎発流行)
さらに流行の規模が大きくなり国境や大陸を超え、世界中に感染症が流行すること。世界流行、世界的流行とも呼ぶ。
以上はすべてウィキペディアからの引用です。
WHOは一つ一つの感染症のパンデミックの状況を6つの段階に区別しています。
WHOは2005年にインフルエンザ対策としてパンデミックを6つのフェーズに分けて分類しました。上記は2009年に新型インフルエンザ対策として新しく改定されたものです。
現在もこの分類が基になっています。
2020年3月WHOのテドロス事務局長は、新型コロナウィルスのパンデミック(世界的大流行)と認定しました。これはWHOの感染病分類で最も重いフェーズ6を意味しています。
な知識として言葉の大きな意味を分かっていれば十分なのではないかと思います。
中国の武漢でウィルス性肺炎の集団感染が起きていることを、中国当局がWHOに報告し、その事実を中国メディアが最初に伝えたのは2019年の大みそかでした。
たった6か月前のことなのです。
アメリカのジョンズ・ホブキンス大学の集計によると、6月27引き続き午後の時点で新型コロナウィルスの感染者数は世界で980万人を超えました。亡くなった方も49万4000人以上と
たった6か月で世界が一変しました。
20世紀以降、インフルエンザで4回のパンデミックを経験しています。
1918年「スペイン風邪」
1957年「アジア風邪」
1968年「香港風邪」
2009年「新型インフルエンザ」
インフルエンザウィルス以外でWHOがパンデミックを宣言するのは、今回の新型コロナウィルスが初めてです。
ウィルスの流行を食い止める方法はないのでしょうか。
ウィルスの流行を食い止める方法として大きく分けて3つが言われています。
(1)水際作戦
今回の新型コロナウィルスの場合にも中国湖北省や浙江省などからの入国制限や、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号では乗客や乗員の下船を許さず検疫をしました。
水際作戦はウィルスの侵入を完全に食い止めることはできません。あくまでもウィルスの侵入を遅らせて、感染者の数を抑えることを目的としています。
(2)早期封じ込め
これは感染の拡大を遅らせることを目的としています。
新型コロナウィルスでも、イベントや集会の自粛要請や小中学校の休校などの措置がとられました。
早期封じ込めによって感染の機会を減少させることはできますが、感染の拡大を完全に食い止めることはできません。
(3)医療の介入
流行の開始とともに医療体制を強化します。
水際作戦と早期封じ込めによって、感染の拡大が抑制され、感染者数のピークが低くなった流行に対して必要な医療サービスを行うというものです。
新型コロナウィルスでも、流行当初は検査ができないといったケースがありましたが、最近ではPCR検査も多く行われるようになりました。このことによって無症状患者の発見などにつながっています。
以上の対策をできる限り早い時期から行うことで、流行を最小限にとどめることができると言われています。
私たちには当然、都市封鎖を決定することや自粛要請を発令することもできません。
新型コロナウィルスに対しての政府の対応が遅かったとか、水際作戦の失敗などという声も聞かれます。
一方で、海外に比べて日本での感染者数が少なく抑えられているのは、対策が上手くいったからだという人たちもいます。
何が正解で何が不正解ということはないのかもしれません。
けれども、私たちにできることもあります。
それは正しい知識をもち、正しく行動することだと思います。
少しでもウィルスの流行を食い止める。それは一人ひとりの意識と行動によって大きく変わってくるのではないでしょうか。
そのための一助にしていただけたら幸いです。